回遊性のほかに、「たまり」を意識したプランニングがあります。日本の現代の住まいでは、リビングルームにテレビと応接ソファーが置かれ、そこが家族の集まる「場」であったと思います。ソファーが部屋の中央であれ片隅であれ、テレビを中心にした「場」の構成はnLDK型住宅が普及した時から変わることはありませんでした。しかし、本来リビングルームのソファーの位置は、テレビの位置をもとに決まるものではないでしょう。どこに座ればどんな景色が見え、家族の動きがわかるのか、どこの場所に座れば一番落ち着けるのかを考えながら、家族が居心地よく過せる「たまり」の場所を見つけることが大切なのです。
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このことを考えない住宅設計では、部屋と部屋の組合せや、パズルのような発想のプランニングが多く、結果として暮らしにくい落着かない住まいが出来上がっているような気がします。平面のプランニングの時、私は必ず各部屋に家具の配置を点線で書き込むようにしています。特に家族が集まるリビングルームにおいては、そこに座った家族の視線がどう交差するのかを考えながら、家族の心理的な要素や照明の光の種類や方向性を確かめながら「たまり」の位置を考えていきます。