大義名分のためのアンケート

2011.10.07

事例カードは、各分科会の構成員に割り当てられ作成されるが、1鑑定士当たり約100にも上る。とくに、若手の鑑定士が多く割り当てられることになる。地価公示の1ポイント当たり、5〜10程度の事例カードが根拠となり、価格が決定されることになる。とは言いながら、その事例カードの作成にも大きな問題があり。かなり恣意的な方法で作成される。具体的な価格をつくるテクニックは、後述するが、ここでは別の問題を指摘しておく。地価は、回収されたアンケートのうち、地価公示ポイント、つまり、標準地の価格に結果的に近づけられる。言い方をかえれば、取引価格が記載されているアンケートを採用するのである。であれば、アンケートなどとるなと言いたいところだが、国が鑑定士を利用しているのと同様に、鑑定士は一般の取引価格、つまりアンケートが必要なのである。大義名分のために……。なお、余談になるが、この事例カードは、各都道府県の鑑定士協会に保管され、いつでも鑑定士は閲覧できるようになっている。日々の鑑定評価においては、取引事例を使うことになっているが、その取引事例としてこの事例カードを利用している。つまり、鑑定評価においても、アンケートにより作成された事例カードを基にして価格を決定しているのである。このように見てくると、わが国の地価は、地価公示の価格ありきでつくられていることを意味する。その標準地の数29100地点(平成20年)。全国にはりめぐらされているのである。

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