空間を規定しサブエリアをつくる力

2011.12.23

向きを持つ物の存在は空間にも向きを与える。何もない空間に椅子を一つ置くと、そこにきわめて微弱ながら「前〜後」という「向き」が発生する。二脚の椅子を向かい合わせに置けば、その間によどむ空間は内側になり、背の後に広がる空間は外側になるから、空間は「前〜後」だけではなく「内〜外」に柔らかく区切られる。ソファーが空間を規定する力は、基本的にはこの椅子一般の持つ力と同じであり、ただそれが背の延長の長さによって強調され、より明確に感じられるようになったものと考えてよい。

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このような性質をきちんと認識して使いこなせば、ソファーは椅子、テーブルを使う生活空間における効果的な焦点にもなり得る。たとえばリビングとダイェングを兼ねた部屋では、背を食卓側に向けてソファーを置くことによって、食事の場所と食後の憩いの場所とを分けることもできるし、また居間の暖炉の前やテレビの前に置かれたソファーは、しばしば長い背で背後を遮断することによって、その前に居間のサブエリアとでも言うべき小さく親密な空間をつくりだす。